アイルランド

ケルト文化と緑あふれる自然が魅力
写真/豊田美喜 Photo:Miki Toyoda

留学先としての魅力

  1. ヨーロッパの留学生が多く、国際的な環境で学べる
  2. ヨーロッパの中でも比較的治安がよい
  3. 人なつっこくフレンドリーな国民性

アイルランドの基本情報

イギリスのお隣に位置するアイルランドは、北海道とほぼ同じ面積。EU(欧州連合)の中では小国で、経済的な危機もありましたが、低額の法人税などを武器にしてグローバル企業を呼び込み、経済も安定しつつあります。

温暖で多湿な気候のために緑にあふれており、「エメラルドの島」とも呼ばれています。このような大自然の魅力をはじめ、アイリッシュダンスやケルト音楽など、独特の文化も人気です。

国民性は素朴でフレンドリー、かつ親日的。イギリスに比べると日本人を含めアジア人が少ないので、留学先としてそのような環境を求める人に適しています。

首都 ダブリン
人口 約476万人(2016年4月 アイルランド中央統計局)
面積 7万300平方キロメートル
公用語 英語、アイルランド語(ゲール語)
通貨 ユーロ(EUR)
宗教 主にキリスト教(カトリック)
時差 −9時間(サマータイム期間は−8時間)
※サマータイム期間:3月最終日曜の午前1時から10月最終日曜の午前1時まで。
アクセス 日本からダブリンへは、アムステルダムやロンドン経由で約13時間30分(フライト時間のみ)
ビザ情報 90日間はビザは不要。
【学生ビザ】
90日以上滞在して就学する場合は、入国時に1か月間の学生ビザが発給されるので、入国後1か月以内に入国管理局で学生ビザの申請と外国人登録を行う(入国時、申請時には、アイルランドの学校の入学許可書や滞在資金に関する証明書などが必要)。学生ビザで滞在できるのは8か月までだが、2回の延長が可能。事前にオンラインでの申請もできる。

※ご紹介している情報は、外務省、駐日アイルランド大使館、アイルランド政府商務庁、アイルランド政府観光局などの公式サイトを参考にしています。内容によっては変更される場合もありますので、渡航前に最新情報をご確認ください。

アイルランドの生活情報

留学が目的とはいえ、快適に滞在できなければストレスが溜まってしまいます。
アイルランドの気候や環境、物価、食についてよく理解したうえで渡航しましょう。

歴史と伝統、温かなホスピタリティーが魅力

古い歴史と神秘的なケルト文化が今も息づくアイルランド。オーストラリアやカナダに比べて日本人留学生も少なく、パブでビールを飲んでいると地元の人が親しげに話しかけてくるフレンドリーなお国柄は、英語学習にもぴったりの環境といえます。

アイルランドは暖流の影響で冬でも北海道ほど寒くなく、雪もめったに降りませんが、1〜2月は氷点下になることもあるのでコートやマフラーなどは必須です。ベストシーズンは春から秋。特に夏は夜10時を過ぎても暗くならず、平均最高気温が20度に満たない涼しい環境で過ごせます。ただ、さっきまで晴れていたのに突然雨が降って冷え込むなど天候の変化が激しいので、折り畳み傘のほか、暖かい日でもカーディガンなどを持って外出したほうがいいでしょう。

ヨーロッパの中でもアイルランドは比較的安全な国と言われています。しかし、都市部ではすりや置き引きの被害も報告されているので、多額の現金は持ち歩かない、手荷物から極力手を離さないなど、安全を心がけましょう。

異文化を体験したい方はホームステイがおすすめ

日常英会話をレベルアップしたい、異文化に触れてみたいという方にはホームステイがおすすめです。アイルランド人はフレンドリーな国民性で、ホームステイの評判も比較的良いのが特長。出発前に手配会社や語学学校を通して手配でき、たいてい1週間から滞在が可能です。

自炊しながら独り暮らしをするのであれば、短期滞在が可能で、家具やキッチンを完備したサービスアパートメント(コンドミニアム)がいいでしょう。料金は季節や物件のグレード、期間などにより異なりますが、ダブリンなら「Studio」といわれるワンルームでも月2500ユーロ以上、地方都市はそれより若干安いくらいと見積もっておいたほうがいいでしょう。

ダブリンではバスや路面電車、鉄道が市民の足になっています。バス料金は、市内の一定の区間であれば0.75ユーロ、それ以外は行き先によって2ユーロからとなります。カードにお金をチャージして使用する「Leap Card(リープ・カード)」なら、現金で支払うより安い料金で乗車できるうえ、バスや路面電車、鉄道にも共通で利用可能。また、ダブリンには「ダブリンバイク」という公共の自転車レンタル制度があり、観光や市内の移動に便利です。

各地のお酒や名物料理も楽しみたい

パブはアイルランドの人々の生活に欠かせない社交の場。陽気なアイルランド人に交じってダブリンのギネスやコークのマーフィーズなど、地元のビールをたっぷり味わいましょう。アイルランドの代表的な郷土料理といえば肉と野菜をコトコト煮込んだアイリッシュシチュー。ほかにも、ゴールウェイのオイスターやネイ湖のウナギ、ダブリン・ベイの手長エビなど、各地の名物料理を味わうのもアイルランドの楽しみの一つです。

ダブリンでは、大手スーパーの中にも味噌や豆腐を置いている店舗はありますが、日本の食材が揃うのはアジア系のマーケット。納豆や日本のお米も手に入りますし、一般のスーパーでは売られていない薄切りの肉を売る店もあります。ただ、ダブリンに比べ、地方都市では日本の食材を扱う店や品揃えも限られています。

アイルランドの消費税(VATと呼ばれる付加価値税)は23%。しかし、なかには映画館の入場料や電気代などのように税率が軽減されているものや、牛乳やパンといった一部の食品、書籍や薬、子どもの衣料品など税率0%の物品もあります。

※文中の金額や税率は変更されることがありますので、ご注意ください。

おすすめの都市

語学学校が多く、滞在しやすいアイルランドの都市をピックアップしました。
勉強しながら暮らしてみたい都市を見つけましょう!

ダブリン Dublin
©iStockphoto.com/littleny
フォトジェニックな中世の街で
人なつこいローカルと国際交流を
政治・経済・文化の中心地ダブリンは、世界中から観光客が集まるアイルランドの玄関口。首都にふさわしい都市機能がありながら、歴史を感じさせる観光スポットが点在し、思わず写真を撮りたくなる美しい街並みで知られています。「ダブリン訛りは聞き取りやすい」と言われ、留学生も多数。夜はパブで国際交流を楽しむのもいいかも?
ゴールウェイ Galway
©iStockphoto.com/littleny
アイルランドの伝統息づく
西部の中心的都市
赤や青のカラフルな建物が立ち並び、アイルランドらしい中世の面影を色濃く残しながらも、どこか愛らしさを感じさせる街並みが魅力のゴールウェイ。アラン諸島など周囲に景勝地が多く、西部の観光拠点として多くの人が訪れる観光都市です。またダブリンに次いで留学生が多い学生の街でも知られ、語学学校やホームステイが充実しています。
コーク Cork
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独自の文化に世界が注目する
アイルランド第2の都市
アイルランド南部の中心地コークは、ダブリンとは異なる個性と文化にあふれたエネルギッシュな港町。京都などと並んで世界が注目する国際観光地として高い人気を誇り、古さと新しさが同居した独特の街並みが楽しめます。気候は温暖で治安も良く、コンパクトで行動しやすい街のため、落ち着いて勉強したい人にはうってつけの留学先といえそう。