マレーシア

ミックスカルチャーが楽しめる多民族国家
写真/豊田美喜 Photo:Miki Toyoda

留学先としての魅力

  1. 多民族国家で英語が広く使われている
  2. ネイティブ講師がいる欧米資本の語学学校が多い
  3. 物価が安く、暮らしやすい

マレーシアの基本情報

マレーシアは、マレー半島南部とボルネオ島北部の2つのエリアから成るイギリス連邦加盟国で、立憲君主制を敷いています。国土の約60パーセントが熱帯雨林で覆われており、農林業が主要産業となっています。

国民は、マレー系、中国系、インド系の3つの民族が多数を占めていますが、先住民族も多く、多民族国家です。公用語はマレー語ですが、各民族間の共通語として英語が浸透しており、条件を満たせば長期滞在用のビザが取得できるため、外国人に人気の移住先となっています。

学校教育は英語で行われているため、大学留学や語学留学でも人気上昇中。欧米資本の語学学校が多く、英語教育の質は高いのに、留学費用は安い点が魅力です。

首都であるクアラルンプールは大都市であり、ショッピングセンターも充実していて、生活に不便はありません。また、国内にリゾート地も多く、足を延ばせば、休日には大自然やアクティビティを楽しむことも可能です。

首都 クアラルンプール
人口 2,995万人(2013年 マレーシア統計局)
面積 約33万平方キロメートル
公用語 マレー語(英語は準公用語)
通貨 マレーシア・リンギット(MYR)
宗教 主にイスラム教、仏教、ヒンドゥー教
時差 −1時間
アクセス 日本からクアラルンプールへは、直行便で約7時間30分
ビザ情報 90日間はビザは不要。
【MM2Hビザ】
MM2Hとは「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム・プログラム」の略。一定額以上の財産証明書、収入証明書、現地銀行への定期預金などの条件を満たす場合、10年間有効なビザが取得できる。10年後の更新も可能。
※語学学校への留学で学生ビザが取得できるのは、18〜35歳のみ。

※ご紹介している情報は、外務省、在日マレーシア大使館、マレーシア政府観光局、MM2Hセンターなどの公式サイトを参考にしています。内容によっては変更される場合もありますので、渡航前に最新情報をご確認ください。

マレーシアの生活情報

留学が目的とはいえ、快適に滞在できなければストレスが溜まってしまいます。
マレーシアの気候や環境、物価、食についてよく理解したうえで渡航しましょう。

英語の通用度や高い生活水準から移住先として人気

赤道に近く熱帯気候のマレーシアは、年間を通じて暖かい国です。しかし日本の夏のようなじめじめした湿気は少ないので、比較的過ごしやすいことが特徴です。

クアラルンプールやペナン島のあるマレー半島西岸部は5〜9月が雨季。とはいえ時折スコールが降る程度で、生活に支障はありません。コタキナバルのある東マレーシアは11〜3月が雨季。同じ国でも季節が違うので注意しましょう。なおコタキナバルの空気のおいしさ、さわやかさは特筆すべきものです。

多民族国家のため共通語として英語が広く使われているので、どこに行っても簡単な英語だけで用が足せます。また、東南アジアでも特に発展した国なので、生活に不便もなく、首都クアラルンプールでは日本の大都市と変わらない暮らしを送ることができます。

こうした利点をアピールしたマレーシア政府の政策もあって、世界中から多くのロングステイヤー(長期滞在者)が集まっています。リタイアした日本人の移住先としても、根強い人気のある国なのです。

日本食メインだと決して格安ではない生活費

先進国同様の生活レベルといえるマレーシアですが、物価は日本のおよそ半分。ローカルな場所で飲食しているぶんには、かなり安く上がります。ただ日本食レストランや和風の居酒屋などで食べれば、店によっては日本以上の値段になります。また飲酒に厳しいイスラム教国なので、アルコールは日本並み。

長期滞在している日本人の多くはコンドミニアムに住んでいます。クアラルンプール中心部の1〜2ベッドルーム、家具備えつけの物件で2000〜3000リンギット(約6〜9万円)ほど。プールやジムなどの設備がある物件も多く、警備員常駐などセキュリティもしっかりしています。地方都市ではもう少し安くなります。

ロングステイヤーの多いペナン島では、ホテルでも長期滞在プランを用意しているところがたくさんあります。日本語を話すスタッフがいるホテルも。まずはこうしたホテルで1か月ほど暮らしてみるという人が多いようです。

日本人によく合うマレーシア料理。日本食も豊富

マレーシアは本当に食が豊か。多民族国家なので、さまざまな料理を味わえるのです。ココナツを多用したマレー料理では、サテー(焼き鳥)やナシゴレン(チャーハン)が有名。インド料理はシーフードたっぷりのカレーがなんといってもおすすめです。

イスラム教国ですが、アルコールが欲しくなったら中華料理屋へ。福建・客家料理をベースに、東南アジアで独自に発展した中華をいただけますが、代表的なものが肉骨茶(バクテー)です。豚のスペアリブを漢方で煮込んだスープで、深みと滋味たっぷり。また、マレーと中国の食文化が融合したニョニャ料理もあり、いかにも多民族国家。

日本食は、クアラルンプールなら本格的な和食レストランが無数にあります。デパートの中には必ず日本食レストランがあるほどで、特に日本から進出するラーメン店や、大手チェーンが増えています。

食材も豊富です。日系スーパーが多く、醤油ひとつとっても濃い口、薄口、刺身用から卵かけご飯用まで揃っています。ただクアラルンプール以外の街では、選択肢は狭くなります。

※文中の金額や税率は変更されることがありますので、ご注意ください。

おすすめの都市

語学学校はクアラルンプールに集中していますが、
長期滞在に人気のペナンやコタキナバルにも学校があります。

クアラルンプール Kuala Lumpur
©Miki Toyoda
近未来的オフィス街から屋台群まで
さまざまな顔を見せる国際都市
マレー、インド、中国を中心に多くの民族が暮らす多国籍都市。街の象徴であるペトロナス・ツインタワーのような高層ビルのたもとで、昔ながらの屋台街が広がり、アジアらしさも残しています。モノレールなどの公共交通が張り巡らされ、移動はとても便利。そして各民族のおいしい料理を味わえる、食の都としても知られています。
ペナン Penang
©Tourism Malaysia
世界遺産と美しいビーチを持つ
マレーシア有数の観光地
古くから東西貿易の拠点だったため、文化の交じり合った独特の建造物や街並みが見られ、島の中心であるジョージタウンはユネスコの世界文化遺産に指定されています。一方でビーチリゾートとしても名高く、「東洋の真珠」と呼ばれています。マリンスポーツやエコツアーを楽しむ人々が世界中から訪れる、国際観光都市なのです。
コタキナバル Kota Kinabalu
©Hirokazu Murohashi
たっぷりの自然を満喫できる
東マレーシア最大の都市
「地球の酸素タンク」といわれるほど緑豊かで、世界で3番目に大きな島・ボルネオ島にある街。目の前には雄大な南シナ海が広がり、夕暮れの美しさは世界有数のもの。もちろんビーチライフとシーフードも楽しめます。ボルネオ島の自然を生かしたエコツアーの拠点として、東マレーシアの経済の中心として、近年急速に発展しています。