英語勉強法

オンライン英会話(2) どんなスクールがあるの?

写真/豊田美喜 Photo:Miki Toyoda

「オンライン英会話」の教材は、市販品のほか、オリジナル教材をダウンロードして使うもの、ニュースなどの記事を利用するものなど、さまざま。

専門オフィスでのレッスンと、講師の自宅でのレッスンがある

では、オンライン英会話のサービスを行っているスクールにはどんなところがあるのか、みてみましょう。

まず、私たちがスクールという言葉でイメージするのは、まさに「学校」のように講師がたくさんいる場所ではないでしょうか。オンライン英会話には、専用オフィスがあって講師がそこからインターネットを通じてレッスンを行っているタイプのスクールと、運営会社が契約した講師が自宅でレッスンを行うスクールもあります。

専用オフィス型のスクールは運営会社が通信環境や講師のレベルの管理をしっかりと行っている傾向があるため、「途中でインターネット回線が通じなくなってしまうことがある」「予約の時間通りにアクセスしたのに、先生がいない」といったトラブルが起こることは比較的少ないようです。

一方、講師が自宅でレッスンをするスクールの場合には、国や地域、講師自身の契約内容によってはインターネット回線が多少不安定な場合もなくはありません。ただし、その場合はつなぎ直すまでにかかった時間分は延長してくれたり、そのレッスンは消化分に含まれずに再度新たな時間を設けてくれたりなど、フォローがある場合がほとんどです。

また、専用オフィスでのレッスン、在宅でのレッスンの両方を行っているスクールもありますが、大切なのは先生との相性です。自分にぴったりの先生に出会うことができれば、どちらの形式のスクールを選んでも問題はないでしょう。

英語が公用語で時差も小さいフィリピンのスクールが多い

講師の国籍による特徴もあります。実は、オンライン英会話が注目され始めたのは、フィリピンに、日本や韓国などアジアの国々に向けてサービスを提供する英会話スクールが増えたことがきっかけです。フィリピンは英語を公用語としていることもあって、アジアからの英語留学生も多い場所です。そのため、英会話を教えられる講師はたくさんいますし、日本との時差が小さいので日中のレッスンを設定しやすいのです。また、講師やスタッフの人件費が安いため、レッスン料金を低価格に抑えられます。現在では、オンライン英会話のスクールのうち、約8割以上がフィリピンの運営会社で、フィリピン人講師によるレッスンを行っています。

そのほか、アメリカ人やイギリス人、カナダ人などのネイティブの講師がレッスンを行うスクールや、日本人のバイリンガル講師を採用しているスクールもあります。

いずれにしても、各スクールには採用基準があり、講師は英語レベルだけでなく教育スキルを認められて勤務しています。「イギリスに留学するための準備として、どうしてもイギリス英語をマスターしたい」といったような特別な希望がある場合を除いては、講師の国籍を気にしすぎる必要はないでしょう。

マンツーマンでの会話レッスンのほか、目的別のコースも

オンライン英会話のスクールのほとんどは、レッスン時間あたりの会話量が増えるマンツーマンレッスンを提供しています。というのも、オンライン英会話を利用する人の希望として多いのは、英語を話す機会を作りたい、というものだからです。マンツーマンレッスンでは、講師と生徒が一対一でレッスンを進めるため、自分のペースで会話ができるだけでなく、質問もしやすいというメリットがあります。また、日本人はどうしても、他の生徒に「下手な英語を聞かれる」ことを恥ずかしいと思ってしまいがちですが、講師と一対一ならその心配もありません。

なかにはグループレッスンを主に行っているスクールもあります。グループレッスンのメリットとしては、自分以外の生徒も含めた複数での会話に慣れることが挙げられます。渡航先では、常に誰かと一対一で話す場面ばかりとは限りません。留学先の学校の友達と、ホームステイ先の家族と、同じツアーで知り合った海外からの旅行者と、など複数人での会話に柔軟に対応していくためには、グループレッスンを経験しておくのもいいでしょう。

また、スクールによっては、日常会話だけでなく、ビジネス英語や専門英語、英作文や発音矯正などの内容に特化したもの、TOEICやTOEFLといった試験対策や資格対策など、さまざまなコースを設定しているところもあります。まずは英語を話すことに慣れたら、目的別のコースを検討してみてもいいですね。

ちなみに、教材は各スクールやコースによってさまざまです。市販の教材のほか、オリジナル教材をダウンロードして使う、あるいは、新聞やニュース、雑誌をトピックスとして使うなど、どのスクールも工夫していますので、勉強したいと思える内容かどうか、申し込む前に調べてみましょう。英語の勉強を継続するには、教材選びも重要なポイントです。

この記事を書いた人

永坂佳子Yoshiko Nagasaka
留学情報誌の編集、留学情報サイトのディレクターなどを経て、現在はフリーランスとして、さまざまなジャンルの編集、ライティングなどを手掛ける。英語を含め語学は“とっても”苦手で、何度も英語学習に取り組んでは挫折を繰り返した過去が。海外へ行くこと自体は好きなので、オンライン英会話で挽回を誓うが、果たして結果はいかに……。