世界14都市のコラム
カナダ・バンクーバー

バンクーバーのハロウィンは「おうち花火」の日!

花火の販売所は「FIREWORKS(花火)」の大きなサインが目印。

夏休みにカナダに短期留学をしている日本人の方からよく聞かれるのが「ホストファミリーと花火をしたいのですが、花火はコンビニとかで買えますか?」という質問。答えは、残念ながら「NO」。カナダでは家庭用花火に関する法律が厳しく定められており、例えば私が住むバンクーバー市で「おうち花火」ができるのは、1年にたった1日、ハロウィンの日だけなのです。

花火の販売が解禁になる10月25日になると、街のあちこちに臨時の花火販売所が出現します。花火を購入および使用できる年齢は19歳以上で、市が発行する購入・使用許可証も必要。市のウェブサイトで花火に関するルールを熟読し、花火の安全に関する知識テストをウェブ上で受けて合格すると、申請者の名前や住所の記された許可証が発行されます。その許可証と身分証明書を花火屋さんに持参して初めて花火を購入できるというわけです。

家庭用花火の購入および使用許可証。市のサイトで申請&テストにパスすると、オンライン上で即発行されます。

ちなみに、こちらの「おうち花火」は、超小型の打ち上げ花火のようなスタイルが主流。ハロウィンの夜は近所の家々の庭から、「バン!バン!」という音とともにカラフルな花火が夜の闇に舞い上がり、ハロウィンナイトを盛り上げてくれます。しかし一方で、花火の使用方法やルールを無視したために、火が燃え移って火事になったとか、花火で人に大けがを負わせたといった事態も毎年のように発生。そのため、「家庭での花火は一切禁止にすべき」という声も少なくありません。

ここではバンクーバー市を例に取り上げましたが、花火に関する法律は各自治体によって異なります。オタワでは家で花火ができるのはカナダデーとビクトリアデーですし、カルガリーのように家庭での花火を全面的に禁止する地域もあります。詳しくは各自治体のウェブサイトに掲載されていますので、興味のある方は覗いてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

白川エリEri Shirakawa
ライター&フォトグラファー。1996年より海外旅行情報誌および留学情報誌を中心に執筆活動を行う。1998年から8年間オーストラリアのシドニーで暮らし、2006年からカナダのバンクーバー在住。趣味は、旅行・読書・東洋美術史。動物好きという縁から、動物愛護団体で数年間ボランティアのアニマル・フォトグラファーを務めた経験も持つ。NAATI(オーストラリアの国家認定資格)パラプロフェッショナル通訳。