留学の心得
出発準備編

滞在先の情報を収集し、文化背景を理解する。

留学をする前に、その国の文化を知ることはとても大切。憧れの国であっても、ツアー旅行などで訪れたことがあっても、留学で滞在するとなると、その国のこれまで見えなかった部分も見えてきます。慣れない土地で生活をしてみると、食事の内容やマナー、風呂やシャワーの使い方、トイレの衛生面、レストランやホテルのサービス、国民性の違いなど、日本とは勝手が異なり、不便に感じることも多いかもしれません。

細かいことに度々カルチャーショックを受けなくてすむよう、事前にできるだけ情報を集めて、文化や習慣などをある程度理解しておきましょう。旅行ガイドブックからだけではわからない情報もあるので、個人旅行や在住者の書いた本や、留学体験談やブログをインターネットで検索して読むのもいいでしょう。

例えば、雨季と乾季がある国、朝夕で気温差が激しい国、一年のうち晴れ間がほとんどない国など、気候一つとっても日本とは異なる特徴があります。どんな季節が一番過ごしやすいか、ご自分の体調とも相談し、滞在時期を決めるのも一つです。

またレストランやホテルなど公衆の場所の衛生面やサービスが気になる場合も多いかもしれません。世界一丁寧なサービスを提供すると言われる日本のホテル、レストランとは違って、外国ではスタッフでも客に対して個人の意見をはっきり述べたり、スタッフ同士で私語をしながら仕事をしたりする風景が見られることもよくあります。

こうした違いも、その国の価値観や文化背景に基づいたもの。ネガティブに感じられてしまうことも時にはあるかもしれませんが、文化や慣習、国民性の違いを知ることも、留学で得られる経験の一つです。「へえ、こんな考え方もあるんだ」と好奇心を持って向き合い、飛び込んだ先での違いを受け止めながら、楽しんでください。

この記事を書いた人

玉居子泰子Yasuko Tamaiko
大阪出身。高校時代にアメリカアーカンソー州に留学。東京外国語大学卒業後、英米翻訳書籍の出版社勤務を経て、フリーランスの編集・翻訳者に。共訳書に『天才シェフ危機一髪』(日経BP社)『ピース・ウーマン』(英治出版)。2005年にベトナム・ホーチミン市に移住し、ライター業を開始。その後日本に戻り、育児雑誌の編集をする傍ら、教育、留学、女性の仕事、人物インタビューなどを主なテーマに、雑誌、webサイトの編集・ライターとして活動を続けている。