海外でもスマホを使いたいのですが…

家族や友人とのメールはもちろん、地図を見たり、調べ物をしたりと海外でもスマホを使いたいという人は多いでしょう。「国際ローミング」のサービスを利用すれば、海外でも国内と同様にスマホを使うことが可能です。国際ローミングとは、日本で契約している携帯電話会社が提携している現地の事業者の設備を利用させてもらう仕組みです。現在、国際ローミング提携先は世界のあらゆる場所に及び、日本人が旅行や留学で訪れる地域のほとんどをカバーしています。

ただし、一般にスマホは、ユーザーが操作していないときも最新データを確認するために自動的にデータ通信をします。また、音声通話（電話）の着信や携帯メール（MMS）の受信にも料金が発生するため、利用料金が高額になります。それを避けるには、各携帯電話会社が設定している、海外パケット定額プランなどに加入するとよいでしょう。1日単位で金額が設定されていて、上限以上の金額は請求されません。

しかし、これらのプランは利用料金が日額980～2,980円と、留学などで長期間滞在する場合には高額になってしまいます。もう少し安くしたいなら、Wi-Fi（ワイファイ）ルーターをレンタルして持っていくのもおすすめです。会社により料金は異なりますが、ほとんどが一日あたり数百円で抑えられるほか、月決めの料金設定がある会社もあります。これなら常時インターネットに接続できるので、検索した地図を見ながら目的地に行く、という使い方もできます。

さらに、SIM（シム）フリーのスマホを持っていき、海外でプリペイドのSIMカードを購入するという方法もあります。日本では携帯電話会社が販売している携帯電話はその会社の通信回線しか使えないようになっているのですが（これをSIMロックと呼びます）、海外では好きな会社のSIMカードを挿して利用するのが一般的です。販売店などでスマホのSIMロックを解除したもの、もしくは、もともとどの会社のSIMカードでも対応できるように設定されたスマホをSIMフリーと言います。

プリペイドのSIMカードは決められた日数分は使い放題、もしくは上限金額が設定されたプランのカードがさまざまあり、前払いで購入します。期限を過ぎたり金額を使い切っても、チャージすることで再び使えるようになります。ほとんどの国で上記２つの方法よりもはるかに安い価格で購入できるうえ、あらかじめ金額が決まっているため、後から高額な請求が来て青くなった、ということがないのがメリットです。

プリペイドのSIMカードは、街中にある通信会社のショップのほか、空港やコンビニなどでも購入できます。この方法は、機種変更をして余っているなどの古い機種でも可能ですが、携帯電話会社によってSIMロックを解除に応じてもらえる機種が限られているので注意が必要です。また、現地での設定方法はかなり面倒なので、十分下調べをしておきましょう。

また、Skype（スカイプ）やLINE（ライン）などのインターネット通信アプリや050plusなどのIP電話アプリを使えば、音声通話も可能です。

もし、それほど頻繁には使わないというのであれば、公衆無線LAN（フリーWi-Fi）を利用するというのもいいでしょう。海外では駅や空港、公共施設、カフェ、コンビニエンスストアなど多くの場所で公衆無線LAN（フリーWi-Fi）サービスを提供しています。語学学校やホテル、コンドミニアムなどの宿泊施設でもWi-Fiを設定しているところもあります。旅行者や留学生でも簡単な設定で接続できるので、メールチェックやSNSの更新くらいならこれで十分という声も多く聞きます。プリペイドSIMを利用した場合と同様に、アプリを使っての音声通話も可能です。

これなら料金はまったくかかりませんが、エリアからはずれた際に現地の事業者に接続されてしまわないように、データローミング／モバイルデータ通信の設定をOFFにしておくことを忘れずに。また、公衆無線LAN（フリーWi-Fi）はセキュリティに不安があるケースもあるため、インターネットバンキングやネットショッピングなど、詳細な個人情報を入力する操作は避けておくほうが無難です。

国際ローミングサービス

Wi-Fiルーターレンタル

この記事を書いた人

永坂佳子Yoshiko Nagasaka: 留学情報誌の編集、留学情報サイトのディレクターなどを経て、現在はフリーランスとして、さまざまなジャンルの編集、ライティングなどを手掛ける。英語を含め語学は“とっても”苦手で、何度も英語学習に取り組んでは挫折を繰り返した過去が。海外へ行くこと自体は好きなので、オンライン英会話で挽回を誓うが、果たして結果はいかに……。